お口の中に当たり前のようにある唾液。最近、お口の中がねばねばする、乾いて困るなど、お口の中が気になることはありませんか? 唾液が少なくなると、虫歯になりやすくなったり、口臭の原因になったりもします。今回は、唾液についてお話しします。
デンプンの消化作用
唾液の中に含まれるアミラーゼ、という酵素により、食事によってとりこまれたデンプンを糖質まで分解する作用があります。
抗菌作用
口の中には多数の常在菌が存在しています。虫歯菌や歯周病菌だけではなく、病原菌がお口の中に侵入したときに殺菌したり、抵抗したりする作用があります。
歯が溶けることを防ぐ作用
普段お口の中は、中性の状態ですが、食後は強い酸性状態になります。この酸性状態を元に戻す働き、緩衝機能があります。
歯の再石灰化を助ける作用
酸により脱灰し歯が溶けてしまうのを、唾液の中のカルシウムやリン酸によって、修復し元に戻します
湿潤作用
お口の中を適度に湿らせ、粘膜を保護する役割があります。 また、食べ物をスムーズに飲み込めるようにする働きです
味覚への作用
唾液の中に含まれるたんぱく質が、舌の表面にある味覚をつかさどる味蕾という組織の発育と機能に関係しています。 食べ物が唾液に溶けて、味蕾により、味を感じ取ります。
自浄作用
唾液の流れにより自然に汚れを洗い流します。
人の唾液は、一日に平均1ℓから1.5ℓ分泌されると言われていますが、ストレス、不潔な口の中の環境、加齢や薬の副作用、などにより、分泌が減少することがあります。
①耳下腺……さらさらとした唾液 ②顎下腺……さらさらと、ねばねばした、両方の唾液 ③舌下腺……ねばねばした唾液
高齢化が進み、平均寿命も男性80.75歳、女性86.99歳(厚生労働省より)となっています。 長く健康で過ごすためには、足や腰などの運動機能はもちろんですが、お口からおいしく食事ができる、ということがとても大事です。 今、ご自分のお口の中の環境がどうなっているのか、この機会にみなおしてみてはいかがでしょうか。