2015.05.19

約3カ月くらい前に、NHKの番組で「大人の虫歯」について放映されました。
ご存知でしたか?
この放映の後、御近所の方や、患者様からも話題にのぼりましたので、今回は、虫歯について、ご紹介したいと思います。

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まず、歯の構造はどうなっているのでしょうか?

歯には、一番外側のエナメル質と呼ばれる固い部分と、その内側に少し軟らかい象牙質、さらにその中に歯髄と呼ばれる神経があります。歯の根は薄いセメント質で覆われており、歯根膜という繊維によって、上顎、下顎の歯槽骨という骨に支えられています。

虫歯は、どうやってできるのでしょうか?

歯の表面に虫歯の原因の細菌が付着し、食べ物と結びついてプラーク(歯垢)になります。そしてプラークの中では、食べ物の中の糖分を栄養分として細菌がどんどん増え、を作り出します。この酸により、歯の表面が溶けていきます。これを脱灰といいます。

しかし、唾液や歯ブラシなどで作り出された酸やプラークがとりのぞかれると、唾液の成分によって、溶けだしたエナメル質の表面が元に戻ります。これを再石灰化といいます。お口の中では、常に脱灰と再石灰化が繰り返されています。このバランスがくずれ、脱灰が進むと歯に穴があき、虫歯が進行していきます。一度虫歯になると治療をしないと、治りません。

虫歯の進行は?

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脱灰と再石灰化のバランスがとれていて、まだ歯には穴が開いていません。
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外側のエナメル質に虫歯がある状態です。まだ、症状は出ないことが多いです。
C2
エナメル質の内側の象牙質にまで虫歯が進行しています。神経に近くなるので冷たいものや、甘いものにしみることがあります。
C3
象牙質よりもさらに進行し、神経まで達している虫歯です。炎症をおこしていると、強い痛みを感じます。
C4
虫歯がかなり進行して、歯の根しか残っていない状態です。腫れたり、臭い匂いがすることがあります。歯を残すことができない可能性があります。

大人の虫歯と子どもの虫歯の特徴は?

子どもの虫歯

子どもの虫歯では、エナメル質の厚みが大人の半分くらいしかなく軟らかいので、入口は狭くても、進行が早く中に大きく広がってしまうことが多いです。そしてすぐに、神経にまで達してしまいます。開いた穴に食べ物がつまり、痛みを訴えることがあります。

大人の虫歯

外から新たに虫歯になることもありますが、一度治療をしてつめたり被せたりしたものと、歯の隙間から細菌が侵入し、二次的な虫歯になることがあります。
その際に神経の処置をしている歯は知覚がないので、痛みを感じることがなく気がつかないうちに進行してしまいます。また、神経のある歯でも虫歯の進行がゆっくりで、じわじわと進むので体の防御反応で神経の周りに第二象牙質をつくり、虫歯からそれます。
そのためにさらに痛みを感じづらくなります。虫歯のできる部位は、歯周病で歯茎が下がり露出した根の部分が多くなり発見が遅くなると、歯が薄くなってしまい、力を支えることができなくなり歯を抜かないといけないこともあります。

 気づきづらい虫歯、何に気をつけたらいいでしょうか?

 まずは虫歯にならないようにすることです。

そのためには、丁寧に歯ブラシをして汚れを残さないことが大事です。 歯と歯の間や、歯の裏側など汚れの落ちにくい所は、デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンポイントブラシなどの補助道具を使って磨くとより効果的です。歯ブラシのできないときは、うがいだけでも効果があります。

 規則正しい食生活をすることです。

間食が多くダラダラ食べる人は、いくら歯ブラシをしていても虫歯になりやすくなります。それは、唾液の働きの再石灰化が間に合わず、口の中のpHが常に酸性で虫歯になりやすいからです。

 半年に一回は、定期健診をするとよいでしょう。

大人の虫歯はかなり進行していないと、痛みなどの症状がでないため、ご自分では気がつき辛いです。そのため、気がついた時には歯を保存することが難しくなっていることもあります。
早い段階で虫歯を見つけることができれば、治療の時間、回数もかからずに、終えることができます。

当院の定期検診では、虫歯のチェックももちろんですが、歯周病のケア、衛生士による患者様一人一人にあったブラッシング指導、歯石除去、PMTCといわれる専門的な口腔清掃など、行っています。 お口の健康は体の健康全体にもつながると、言われています。半年に一回の定期検診を受けて、お口の中から全身の健康維持をする、という取り組みはいかがでしょうか?